2019年5月12日日曜日

最高の復讐!!

1985年、インドは天気予報用のスーパーコンピューターの開発を待ち望んでいました。それはインドの農民や農業全般にとって、非常に重要なことでした。同様にインド科学研究所は、国内の高度な教育や研究のためにスーパーコンピュータが導入されることを強く望んでいました。当時、スーパーコンピュータの開発が済んでいたのは米国だけで、米国のCray社はその先駆けでした。

スーパーコンピュータは軍事、宇宙開発、核開発の各プログラムに応用できるため、アメリカはスーパーコンピュータをインドに輸出する事を拒否します。

そのため1987年、当時の首相Rajeev Gandhiは、インド独自のスーパーコンピュータを開発するように国内の科学者達に呼びかけ、次の3点を問いました。

1)国内で独自のスーパーコンピュータは開発可能か?
科学者:私達はCray社のスーパーコンピュータの写真を見たことはありますが、実際にアクセスしたり実物を見たことはありません。しかし、我々にはそれを作るだけの才能と能力があります。

2)開発期間はどのぐらいか?
科学者:アメリカからCray社のスーパーコンピュータを輸入しようとするのに要した期間、それよりも短い3年以内に全技術を開発します。

3)予算はいくら必要か?
科学者:施設建設や技術開発を含む全体のコストは、Cray社の開発コストよりも安くなります。

首相はこれらの科学者たちの返答に対してすぐにプロジェクトを始動。そして3年後の1990年に最初の試作機が開発されました。
これはParamと名付けられました。サンスクリット語で「最高」という意味です。



しかしインドの専門家や大学の教授達は、Paramがスーパーコンピュータだと信じることが出来ませんでした。 ParamはCray社のマシンの外観とは異なっていたからです。

それから開発者達はParamの試作機を大規模な国際会議や展示会に持っていきました。その結果、国際コンテストでParamは2位となり、インド開発のスーパーコンピュータが世界に喧伝されました。

米国の新聞は、"アメリカからスーパーコンピューターの輸入を拒否され腹をたてたインド、自国での開発に成功!"と掲載しました。

最高の復讐は、大きな成功を収めることですね!